ちょっとひと休みです。
私、映画が大好きです。
最近はあまり映画館に足を運ばなくなりましたが、以前はよく映画館で観ていました。
大学の時は映画研究部に所属し、年間100本近く鑑賞していました。
自主映画も制作して“青春”していました。
中学2年生の時の担任が大嫌いでした。
一方、日曜映画劇場で映画解説者の淀川長治さんを知り、映画を通じて様々なことを学ぶことができました。
それ以来、映画が学校でした。
そんな映画の中から、仕事=キャリア形成に役立ちそうな映画を選んで、時々お伝えします。
題して”シネマ de キャリコン”です。
ご用とお急ぎでない方は、お付き合いください。
『生きる』(1952年公開 黒澤明監督作品)
70年前の古い映画です。白黒映画です。
主人公は市役所の市民課長の渡辺さん。
昔は仕事にやる気を持っていましたが、今は黙々とハンコを押す日々。
奥さんは亡くなっていて、今は息子夫婦と同居生活。
市民の苦情の窓口として作られた市民課だけど、苦情に来た市民を他の課に「たらい回し」するのが「仕事」になっている。
そんな「生きていない」渡辺さんが胃ガンになっちゃう。
当時、ガンは不治の病、死の宣告に等しい。
さあ、どうする渡辺さん。
「もう死ぬかもしれないのに、私は何をしてきただろう?このまま無意味に死ぬのだろうか?」
息子に打ち明けようとすると、息子夫婦は渡辺さんが亡くなった後、「家を建て替えようね~😙」って盛り上がっている最中で、渡辺さんは打ち明けるのをやめてしまいます。
今まで遊んだこともない渡辺さんは、夜の街に繰り出して遊ぼうとしますが、それもむなしいだけ😔
そんな時、退屈な仕事がイヤで辞めた、かつての部下の若い娘に偶然会いました。
今は生き生き働いている彼女の姿を見て、「どうすれば、君のように生き生きと働けるのか?」
彼女との出会いで、再び「生きる」のか渡辺さん?
ハローワークと地方行政で8年働く機会がありました。
映画で描かれているほど「ことなかれ主義」ではありませんでしたが、進んで仕事に取り組む人はあまり見かけませんでした。
閉庁のカネが鳴ると同時に脱兎のように出口に向かう職員さんがいました。
業務中もほとんど仕事らしい仕事をしていませんでした。
民間企業ではクビですね。
民間企業でもことなかれ主義の人はいっぱいいます。
以前、大企業に勤めていた時にも、ほとんど仕事をしていない先輩がいました。
組織が大きくなると、20:60:20の比率で、働かない20の人たちが発生します。
さてあなたは「生き」ていますか?
この映画は作品としても立派なものでした。
キネマ旬報という映画専門誌でも、当時ベストワンに選ばれました。
この映画は、来年、イギリスでリメイクされる予定です。
楽しみですね。
是非、この映画を観て、生きるということ、仕事の意味を考えてください。