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『心理的安全性のつくりかた』(石井遼介)を読む②

  Googleで2012年に「プロジェクト・アリストテレス」という大規模な調査が行われました。

「プロジェクト・アリストテレス」の目的は「生産性の高いチームの条件は何か」という問いに対して、答えを見つけ出すことでした。

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その結果、心理的安全性労働生産性を高める重要な要素であると結論づけました。

Googleには様々な業務に携わる数百のチームがあるとされていますが、生産性の高いチームもあれば、低いチームもありました。

生産性の高いチームが持つ共通点から、生産性向上の成功要因を見つけ出し、より生産性の高い働き方を見つけることを目指したのです。

Googleは、社員同士のコミュニケーションを中心に、社員の仕事ぶりを徹底的にモニタリング・分析・検証しました。

分析や検証は、社内で働く統計の専門家やエンジニアだけでなく、外部から組織心理学者や社会学者などの専門家を人員分析部に召集して行われました。

プロジェクト・アリストテレスの人員分析部は、チームの生産性向上に重要なのは、

「高い能力を有したメンバーを集める」ことよりも「チームがどのように協力しているか」であることを突き止めました。

Googleは研究結果として、2015年11月に自社の情報サイト「re:Work」で「チームを成功へと導く5つの鍵」を発表しました。

 

「チームを成功へと導く5つの鍵」に含まれる5つの要素について簡単に紹介します。

心理的安全性

チームメンバーがリスクを取ることを安全だと感じ、お互いに対して弱い部分をさらけ出すことができるかという要素です。

心理的安全性が高いチームでは、自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露しても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じることができます。

メンバー全員が失敗を恐れずに発言・行動できるため、有意義な議論や積極的な協力が日常的に行われ、チームの生産性が向上します。

 

②信頼性

チームメンバーが互いを信頼し、他のメンバーが仕事を高いクオリティで時間内に仕上げてくれると信じられるかという要素です。

信頼性が高いチームでは、チームのメンバー同士がお互いに、クオリティの高い仕事を時間内に仕上げてくると信じることができます。

メンバー全員が自分の仕事に強い自負と責任感を持てるようになるため、半端な仕事や責任の押し付け合いがなくなり、チームの生産性が向上します。

 

③構造と明瞭さ

チームの役割・計画・目的がハッキリしており、自身や他のメンバーがやるべきことが明確かという要素です。

構造と明瞭さが高いチームでは、チーム全体の目標や各メンバーに求められている役割、達成までのプロセスやメンバーの行動がもたらす成果が明確です。

メンバー全員が自分の役割と全体への影響を理解しているため、報告・連絡・相談などの情報共有がスムーズに行われ、チームの生産性が向上します。

 

④仕事の意味

チームメンバー全員が、今の仕事が自分にとって意味があると感じているかという要素です。

仕事の意味は属人的な要素であり、経済的な安定を得る、家族を支える、チームの成功を助ける、自己表現するなど、人によって様々です。

仕事の意味が高いチームでは、仕事そのものや仕事の成果に対して、意味や目的を感じられます。

メンバー全員が自分の仕事に意味や目的を持って取り組むため、仕事へのモチベーションが高く保たれ、チームの生産性が向上します。

 

インパク

チームメンバー全員が自分の仕事について意義があり、良い変化を生むものだと思っているかという要素です。

インパクトが高いチームでは、メンバー個人の仕事がチーム全体の目標達成に対して強い意味を持ち、チームに貢献していることを実感できます。

メンバー全員が自分の仕事に誇りを持つことができるため、仕事へのモチベーションが高く保たれ、チームの生産性が向上します。

 

発表の中でGoogleは「心理的安全性は、その他の4つの力を支える土台であり、チームの成功に最も重要な要素である」と述べています。

 

それでは、その心理的安全性はどのようにして作られるのでしょうか?