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『貧乏国ニッポン~ますます転落する国でどう生きるか』を読む

“小さな会社”での心理的安全性を考える前に、なかなか衝撃的な書籍を読みました。

『貧乏国ニッポン~ますます転落する国でどう生きるか』です。

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日本において年収400万円の人は、単身者であればそれなりの生活が送れますが、4人家族となるとかなり大変です。これがサンフランシスコの場合には1400万円に相当するわけですが、米国の他の都市はどうでしょうか。
国勢調査局の調査によると、2018年における首都ワシントンDCの世帯年収中央値は約10万2000ドル(約1120万円)、シアトルは約8万7000ドル(約960万円)、ニューヨークは約7万8000ドル(約860万円)、ロサンゼルスは約7万3000ドル(約800万円)でした。

米国の都市部においては、世帯年収の中央値が800万~1000万円ということですから、平均値は1000万~1500万円程度になっていると推定されます。サンフランシスコは特別かもしれませんが、他の都市でも1000万~1500万円の年収がないとそれなりの生活はできないというのが実状です。
ちなみに日本における世帯所得の平均値は約550万円、中央値は約423万円となっています。今の日本で550万円という世帯年収は標準的ですが、東京で家族と一緒に住んでいるという場合には、それほどラクな生活はできません。同じようなことが米国にも当てはまり、都市部の場合には1000万円では生活がラクではないのです。
一連の状況を総合的に考えると、米国と日本を比較した場合、2倍程度の年収格差があると考えてよさそうです。

以前、中国の大手通信機器メーカーのファーウェイ(華為技術)日本法人が、大卒の新人社員に対して月収40万円を提示して話題になったことがありました。日本ではあまりの高さに驚きの声が上がったのですが、これはグローバル企業としてはごく普通の水準です。
OECDが行った調査によると、購買力平価(物価を考慮した為替レート)でドル換算した日本人労働者の平均賃金は約4万ドルですが、米国は6万3000ドル、フランスは4万4000ドル、オーストラリアは5万3000ドルとなっています。これは賃金が安い労働者を含めたすべての平均ですが、日本と諸外国の間にはやはり1.5倍程度の賃金格差が存在しています。
日本の場合、女性の賃金が著しく安いという現実があります。夫婦共働きといっても、妻はパートなど賃金が安い仕事に従事しており、夫ほどお金を稼げないケースが少なくありません。

いまや日本は、少ない収入で、安いものを買って暮らす国になっているのです。
とはいっても、それはアメリカやヨーロッパと比較して、という話だろう、と思ってしまうのですが、アジアの国々も、どんどん日本に追いついてきています。

書評には次のように書かれています。

新型コロナウイルスの感染拡大で危機に直面する日本経済。政府の経済対策は諸外国と比べて貧弱で、日本の国力の低下ぶりを露呈した。実は、欧米だけでなくアジア諸国と比較しても、日本は賃金も物価も低水準。訪日外国人が増えたのも安いもの目当て、日本が貧しくて「安い国」になっていたからだ。さらに近年は、企業の競争力ほか多方面で国際的な地位も低下していた。新型コロナショックの追い打ちで、いまや先進国としての地位も危うい日本。国は、個人は、何をすべきか? データで示す衝撃の現実と生き残りのための提言。」

 

このような話を、河村社長とよくします。

社長が起業した22年前は、まだ我が国はお金持ちでした。

私もその頃初めて上海に行って、モノの値段が安いことに心底驚きました。

日本の価格の十分の一くらいで、お小遣いに持って行った5万円が50万円近い価値があると分かって小躍りしました。

今や、その中国人が「日本のモノはとても安いね」と言って、(コロナ禍前は)爆買いに来日する時代になりました。

『貧乏国ニッポン』とは衝撃的なタイトルです。

下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』というタイトルを見た時以来です。

貧乏な国の貧乏な老人というわけですが、(私を含めて)今の老人は幸せな方です。

何しろ、今は、40年以上真面目にさえ働いていれば、夫婦二人で月に20万円以上の年金が貰える国です。

以前、「60歳で2000万円の貯金がないと生活できない!」と財務省が口走って、ちょっとした騒ぎになりました。

もちろん、いろいろな境遇の方がいらっしゃるので軽率なことは言えませんが、今のシニアはまだ幸せな方だと思います。

今の20歳台、30歳台、40歳台の方々は、そろそろ目を覚まして、「茹でガエル」状態から脱出しなければ、「貧乏な国の下流老人」に向かって一直線です。

 

それでは、20歳台、30歳台、40歳台の方々が幸せな老後を迎える方法は?

元キャリコンとしては、従業員が成長していく“小さな会社”がひとつのヒントを与えていると確信しています。