第4章 「採れない」「辞める」「育たない」組織の課題③
フラット組織という名のワンマン組織
「上下関係がないフラットな組織というと、社員同士がヨコにつながった風通しの良い組織をイメージしますが、実態はそのまったく逆というケースが非常に多いのです。
フラットな関係の組織ということは、中間管理職が存在しないということです。すると、経営者が全員を直接管理するという体制にならざるをえません。すると何のことはない、すべてが経営者直轄のワンマン組織になってしまいやすいのです。
このような組織では、社員はすべて経営者と一対一の関係になりますから、ヨコのつながりはむしろ悪くなります。すべてがつながっているのは経営者の頭の中だけで、一人ひとりの社員は「他の社員が何をやっているのかよくわからない」といった状況に陥ってしまうのです。これでは組織全体の機能・生産性は低下してしまいます。
(中略)
このような「フラット型ワンマン組織」は、協調性がなく、生産性が低い組織の悪しき典型なのです。」(P97)
長々と引用しましたが、現状はまったくこの記載にある通りです。
以前、勤務していた“小さな会社”(従業員10名程度)でも、まったく同じ状況で、超ワンマン組織でしたが、風通しは抜群でした。
その昔、初めて入社した会社は一部上場企業で、もちろん中間管理職がいました。というより中間管理職だらけでしたが、風通しが悪いこと、この上なかったです。
ワンマン組織云々は関係ないです。
“小さな会社”では中間管理職が存在しない(必要ない)ので、必然的に経営者は中間管理職の役割も担わなければなりません。
それでいいのです。(と思うようになりました)
問題は、システムと従業員の意欲にあります。
インターアクションでは、Googleの共有ソフトを活用して、各自の当日の業務内容をすべて「見える化」しています。
なおかつ、朝礼でプロジェクターに映しながら確認しています。
そこまでやっても、まったく他人の業務に興味を示さない者もいます。
経営者は常に風通しの良い組織を求めています。
何故ならば、その方が自分が楽になって、その分、企画立案などができるからです。
風通しを阻害しているのは従業員の方であることが多いです。
故に、一般的に経営者がワンマンだから、従業員がみんな経営者の方しか向かない、故に風通しが悪い、故に経営者は何とかしろ!
という公式では、“小さな会社”の協調性の悪さや生産性の低さを改善することはできないと思います。
何か別の「やり方」が必要な気がします。