コンテナスロープ/バンステージ/バンニング

コンテナスロープのインターアクション

こうして社員は、やる気を失っていく…⑤

5.強い会社とそうでない会社を分かつのは、社員の「当事者意識

 

「当事者意識」のある社員は「主体的」に動く

S.コヴィーの『7つの習慣』の第一の習慣が「主体的であること」でした。

“何をなすべきかから自分で考え、行動し、その結果についても責任を持とうとする態度です。社員の「主体性」が生まれる大前提となるのが、「当事者意識」です。”(P35)

 

“たとえば、古い昔のポスターが普通にそのまま貼ってある。入り口の植物が枯れていても、そのまま放置されている。いずれも、社員は、毎日見ているはずです。見ていても気づかない。気づいていてもやろうとしない。「当事者意識」がないと、関心すらなくなるのです。これらは危ない兆候です。”(P38)

 

さてさて、では「当事者意識」はどうやって生まれるのか?

それが知りたいのです!

 

“目の前にニンジンをぶら下げるといった発想では醸成できません。社員が、組織の理念やミッション、ビジョンに共感しているかどうかも大きく影響します。「われわれはこういう価値をお客様に提供する」ということで共感性を高めていれば、やりがいを持って仕事にあたります。”(P40)

 

「やる気」は別の言葉で言えば「当事者意識」です。

「当事者意識」とは、仕事を「自分事」としてとらえる従業員のことです。

“では、どのようなときに、人は仕事を「自分事」としてとらえるのでしょうか?結論からお伝えすると、それは、仕事が会社のためだけでなく、自分のためでもあると心の底から思えるときです。この仕事は、人生や自分のキャリアにとっても、意味や意義があり、とても価値があることだと思えるときに「自分事」になるのです。”(P41)

 

“「会社のニーズ」と「個人のニーズ」が重なるとき、人は自ら動く。(中略)裏返せば、「会社のニーズ」と「個人のニーズ」が重ならなければ、給料のためと割り切って働いたり、受け身で最低限の業務をこなすだけになるのです。”(P42)

 

“上司(社長)は、その仕事が、その人の人生のキャリアとどのようにつながっているのか、なぜ取り組む価値があるのか、人生やキャリアにおける意味や意義をきちんと語り合うべきなのです。対話を通して、本人にその価値に気づいてもらうべきなのです。”(P43)

 

私、正直言って、すべての会社が「理念やミッション、ビジョン」で動いているとは、とても思えません。

私自身、40年近い民間企業での活動で、一度たりと「理念やミッション、ビジョン」で「やる気」を出したことはありません。

それでも、自分で言うのもなんですが、割と「やる気」のある社員だったと思います。

私自身、なぜ「やる気」が出たのか?

前職の8年半勤めた会社においては、徹底的に社長と対話したからです。

8年間、毎週1回、社長は木曜日の夜に主だった社員5~6人を引き連れて会食をしました。毎回毎回ほとんど同じ話でした。いつのまにか社長の話がカラダの隅々にまで沁み込んでいました。

いつの間にか、「会社のニーズ」=「社長のニーズ」=「個人のニーズ」になっていました。「会社を守ること」=「自分と家族を守ること」になっていました。

「人生やキャリアにおける意味や意義」についても、社長自身、自分の人生論を毎回語っていました。

 

インターアクションでも、私67歳ですが割と「やる気」があります。

何故か?

3年半、社長と徹底的に語りあったし、今も語り合っているからです。

別に飲み食いしなくても十分社長と話すことはできます。むしろ飲み食いしない方がキチンと話せるし健康のためにも良いです。

「社長、ちょっといいですか?」と言うと、たいてい「良いですよ」と返してくれます。

このやり方で、毎週最低数回は社長とじっくり話すようにしています。

社長も人間ですから、気持ちも変わります。極めて当たり前のことです。

気持ちが変われば「方針」も変わります。極めて当たり前のことです。

社長と話すことで、社長の「現在」の方針とズレないことができます。

”小さな会社”のメリットの最大のものは「社長と直接話せる」ということです。

我が社の従業員は、とても真面目にキチンと仕事をしていますが、社長とそれほど語り合ってはいないようです。

とてももったいないことだと思います。