コンテナスロープ/バンステージ/バンニング

コンテナスロープのインターアクション

とても強い“小さな会社”のお話 ②

◆初めての仕事

翌週の月曜日の初出社日。

Sさんに少々お話を聞くことができました。

・社長は2代目さん。

・私より6歳年上でしたから、面接を受けた時は52歳の働き盛り。

・創業者の会長は御年88歳で、現役は退いているが、本社(北九州)には毎日出勤しているとのこと。

・ここの事務所(博多)は支店で、社長は会長がいるビルにはほとんど行かない。

・この事務所の他にも大阪支店がある。社長はもっぱら大阪にいる。自宅も関西にある。毎週木曜日と金曜日は一泊でこの支店(博多)に来る。その時には、必ず大阪からTさんという若手社員を同行する。

・木曜日の夜は、事務所の男性社員全員(と言っても3人、後に私を入れて5人)を引き連れて食事に行く。その日はほぼ夜中まで飲み会が続く。

・従業員全員で社長を定宿のホテルに連れて行き、そこでおひらき。だいたい深夜の1時か2時。

・翌日の金曜日、社長は遅めに出て来て、帰りの飛行機の時間まで、ほとんどお客様と会うかリクライニングチェアで寝ていることが多い。(故に私の面接は金曜日のはず)

 

一番大切なこと。

・この会社って、いったい何をやってるの?何を売ってるの?

不動産屋さんということが分かった。

会長は、その業界では超有名人で、その昔から大規模住宅地を開発し、売りまくって、また開発しまくって、また売りまくって…

創業から、もう少しで60年。なかなかの老舗です。

 

女性事務員は2人。

1人の方はベテランで字も上手で、なかなか頭も切れそう。

もう1人は、短大を出たばかりの新卒社員。

 

半年前に入ったSさんは大手ゼネコンのM建設からの紹介。

その先輩のNさんもM建設の土木現場の所長で現在ビル管理の担当。

M建設とは、とても長いお付き合いのようです。

 

さて、出社しても何をやっていいのか分からない。

Sさんに訊いても、「まあ、その辺のファイルを眺めていればどうですか?」

とのこと。

前社をわずか数週間前にクビになったので、ここは頑張らないと!

Sさんは依然何も教えてくれない。

まあ、まだ入社半年も経っていないので分からないのかもしれない。

とりあえずその辺のファイルを精査して、私自身の研修スケジュールを自分で作成。

ちゃんとワープロで作成しました。

企画営業部に居ましたから、こういうのは大得意!

 

その週の木曜日。

大阪から社長がやってきました。お供のTさんを引き連れて。

早速、「社長室」に入り、自ら作成した研修スケジュールを提示。

「ご覧のスケジュールでまずは仕事を覚えていきます!」

どうだ!少しは見直しただろう!

社長は、何か不思議なものを見るような感じでした。

「どアホ!こんなもん作っているヒマがあれば、現場でも回って来い!」

えっ!何?

私の初めての仕事である研修スケジュール表を引っ込めて社長室を飛び出しました。

Sさんは、「驚いたでしょ」と慰めてくれました。

 

えっ!またクビ?

ところで、私の給料はいくら?