コンテナスロープ/バンステージ/バンニング

コンテナスロープのインターアクション

とても強い“小さな会社”のお話 ⑫

◆強さの秘訣③ 頭に来ても直接叱らない。めっちゃ怒るけどね😅

 

社長の父上、つまり創業者の方は怖いことで有名でした。

というのも、その会社に入った後、前々職の営業マンに会った時のこと。

「えっ!あの有名な社長の会社か!」とびっくりしていました。

不動産業界では超有名人だったそうです。

相手が同業者だけでなく役人に対しても縮み上がるほど怖かったそうです。

会社に訪問してきた人が、2階から怒鳴り声が聞こえたので回れ右して帰っていったそうです。

私がお会いした頃は、話し好きの好々爺という感じで往時の面影は影を潜めていました。

月に1度ほど訪問すると、必ず楽しそうに昔話をしていただきました。

息子さんもその血を引いているのでもちろん怒りっぽい方のようでした。

というのも、ほとんど怒りませんが、前述のように会社や部下を守るためには、その場を逃げ出したくなるほど噴火しました。

そのような自分の体質を知っているのかどうかは分かりませんが、ほとんど従業員に怒ることはありませんでした。

そりゃ従業員だって人間ですからミスもします。

仕事の手を抜くこともあります。

それが誰の目にも、当然社長の目にも明らかなこともあります。

そんな時。

社長は番頭役のTさんを社長室に呼び入れます。

「あいつ、なんであんなことしたんや!」

「……はい……💦」(何をしでかしたのかなんて訊かない)

「お前、なんとかせい!」

「分かりました」

それから当事者と二人で話します。

事情が分からない時は、私も巻き込まれます。

この時のTさんの怖いこと怖いこと。

明石家さんまの面影はなく、横山やすしくらいの怖さです。

しかし、当事者は社長から死ぬほど怒られるのとTさんから死ぬほど怒られるのどちらかを選べと言われたら、間違いなくTさんです。

「とにかく、もうせんといて!」とTさんが伝えて終わり。

社長に「厳しく言っておきました。」と報告。

「まあ彼にも言い分はあるようですからよく聞いときました。」

「そうか。それでいい」と彼の言い分なんて聞きもしません。

これで一見落着。

後は、その人も含めて夜の食事会です。ノーサイドです。

 

一度、このようにならないケースがありました。

私より半年先輩のSさんのケースです。

どうも大企業のやり方が直らないし、紹介者の方の会社の利益を代弁するようなケースも目につき始めました。

このままではまずいことになる。

Tさんは何度か本人の本意を確かめるために話しました。

それでもなかなか改めない。SさんはSさんなりの主張があるようです。

そんなことが続いたある日。

Tさんと私が社長に呼ばれました。

「Sさんに辞めてもらえ」

社長としても苦渋の判断です。紹介者の関係にも影響します。

「はい、分かりました」とTさんはひと言。

Tさんと私の二人で引導を渡しました。

Tさんは努めて事務的に感情を入れずにことを進めました。

私は思いました。「将来Tさんから引導を渡されるのはイヤだな」

 

それから5年後、幸いなことに私はTさんではなく社長から直接引導を渡されました。😢