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コンテナスロープのインターアクション

とても強い“小さな会社”のお話 ⑭

◆強い会社の秘訣~突破力②

 

一旦方針が出ると、強い“小さな会社”のスピードはハンパではありませんでした。

何しろ、一番収益を上げているビル、つまり稼ぎ頭のビルを売ろうというのだから並大抵の決断ではありません。

ここは経営者特有の勘なのかもしれません。

社長は大学卒業の翌日から経営者としてスタートしました。

40年近くサラリーマンではなく経営者として過ごしてきました。

対象ビルの売り値次第ではビル事業全体がガタガタになる恐れもあります。

 

世の中はミニバブルの真っ最中で、国内外の企業が入り乱れて優良不動産を買い漁っていました。

この波に乗らなければなりません。

メインバンクと大手不動産会社の助力を得て入札までたどり着きました。

入札当日、3社が応札しましたが、その金額はどの会社も驚くような高値でした。

最高値の外資系企業と交渉して、買主として決めました。

売買契約書の案は、「え~~~😲」というほど分厚いものでした。

メインバンクにも手伝ってもらい必死に読みました。

その間、ここで書けないほどの様々な業務を並行して行いました。

「〇〇ビルを売るぞ!」と決めてから半年くらいの期間でした。

よくぞここまでやり遂げた!

感慨に浸っていた時、思わぬニュースが飛び込みました。

2005年11月17日、国交省により構造設計書の偽造が公表されました。

いわゆる姉歯事件と呼ばれたヤツです。

 

買主は外資系企業でした。しかも超超超有名なグローバル企業です。

早速、「構造計算書を提出して下さい」という要求が出されました。

当然です。

41棟のビルをまとめて購入していました。

設計図書などは、いちいち細かく確認せずに、どっと受け取り、どっと倉庫に投げ入れたままでした。

必死に構造計算書を探しました。

これがあるか無いかで数十億円が吹っ飛んでしまいます。

これがあるか無いかで会社の存亡がかかっています。(大げさでなく)

私、ゼネコンに居ましたから構造設計書の位置づけがよく分かっています。

竣工引き渡し後、ほとんど見られることはありません。まずないです。

数字が羅列しただけの設計書が見直されることはまずありません。

そこで何か見つかったとしても「建て直す」わけにはいきません。

そのくらい大事な構造設計ですが、竣工と同時に忘れ去られる可哀想な設計図書です。

故に、いくら探してもない!どこにもない!

私、知り合いを通じて当時(15年ほどまえ)建築を担当したゼネコンの所長さんを見つけました。直接電話しました。

「構造設計書を見つけてくれたら個人的に〇〇万円を支払う」と、今から考えたらとんでもない申し出をしました。

しかし、構造設計図書はどこにも見つかりませんでした。

その結果、今回の契約は破談になりました。

姉歯事件の発覚があと一か月遅かったら…

まあ、それはそれで大変だったでしょう。

何しろ、超超超有名な外資系企業でしたから😢