【社長の見方】
社長と社員が一致協力し、一丸とならなければ社業の発展は望めません。
しかし、ここで言う「一致団結」とか「一丸」という言葉は、社長と社員が同じ立場、または「平等」であるというわけではありません。
会社という組織の中では、社長は、社員と「仲間」ではあってはなりません。
あくまでも雇う側と雇われる側という立場の違いは常に明確にしておく必要があります。
立場の違いとは「会社の経営のためにお金を出すか出さないか」ということに尽きます。
つまり自分の財産を投げ出してでも会社の存続を支える決意があるか否かということです。
社業発展のための「全社一丸」とは、社長をトップにおいたピラミッド組織に対する所属意識を言うのであって、決して全員横並びということではありません。
社員の意見にいちいち耳を傾けている必要はないのです。
それに反対する社員は、場合によっては会社から去ってもらわなければなりません。
それくらいの思いがなければ、社長は会社を引っ張っていくことなどできません。
【社員の見方】
それは確かにそうだと思うけど、会社的には全社一丸になった方が楽しいし、何か会社が発展しそうじゃない?
社長の方で全社一丸になれるような雰囲気づくりをして欲しいなぁ。
それが社長のリーダーシップじゃないの?
“小さな会社”では、ピラミッド型ってないじゃない。
どちらかと言うと「なべぶた」型組織、社長の下は横一線で、誰がリーダーっていうのもないから、何となく社員の方から掛け声が掛けにくいんですよね…。
そこは、ほら、社長の掛け声で「全社一丸」になって欲しいんです。
【キャリコンの見方】
私が現に見聞きした会社では、どこでも社長は「全社一丸」になれるように掛け声を掛けていました。
その掛け声に乗らないのは社員の方ということが多かったです。
まあ、社長の「乗せ方」もあまり上手ではないケースも多かったのですが、社員の方で積極的に「乗ってやろうやん!」という雰囲気のある会社は少なかったです。
何か「冷めて」いるというのか、「乗り」が悪いです。
せっかく社長が「今晩、呑みにいこうか?」と誘っても、即座に「あざーす」ということはないですね。
「えっ!今晩ですかぁ…?」
もうこの段階で、社長はイヤな気持ちになります。
「仕事はキチンとしますが、アフターファイブのお付き合いまでは…」というのが本音でしょう。
さて「全社一丸」でした。
全社一丸になった会社は、間違いなく強いです。強力です。伸びます。間違いないです。伸びれば給料が上がります。間違いないです。給料が上がればハッピーです。
ものすごく簡単な理屈ですが、なかなかそうはなりません。
私、個人的にさっぱり分かりません。
ひょっとしたら、給料が上がらなくてもいいと思っているのかもしれません。
最近の若い人って、あまりビンボーの経験が無さそうですから…。
最近、『「絶望の国」でズルく賢く生きのびる』(長倉顕太 著)を読みました。
今や、日本は年収でアメリカの半分、韓国にも追い抜かれました。
貧富の格差は恐ろしく拡がっており、コロナ禍の影響でこの格差はますます拡がってきています。
政治・経済を引っ張っている政財界の方々は、過去の成功体験の上にしか対策を講じることができません。
この「絶望」を乗り越えるには「全社一丸」しかないです。
社長から呼びかけようが、社員の方から呼びかけようが、どーでもいいのです。
四の五の言っている場合ではなりません。