社員に苦言を呈するような小さいことから、社員を解雇するような大事まで、時として社長は嫌われるようなことをしなければならない場面に遭遇します。
そういう揉めごとや面倒なことは部下に任せ、社長はかかわるのを避けるべきでしょうか?
【社長の見方】
人からよく思われたい、面倒なことは避けたい、嫌いな人と付き合いたくない、というのは人間の性(さが)です。
しかし、社長は物事の決定に際しては、決して逃げてはいけません。
人から嫌われようと、面倒なことであろうと、嫌いな人であろうと、社長は断固として、それらと向き合い、顔を突き合わせて、物事を決定しなければなりません。
しかしこれは別に攻撃的になれということではありません。
会社にとって余計な敵をつくることは得策ではありません。
しかし、苦労から逃げ、それを人に押しつけたとしても、実は敵をつくり恨みを買っているものなのです。
嫌なことに目をつぶり、困難を避ける社長は、目先の楽のために将来の苦労を招いていることに気づくべきです。
そのような難題にかかわりたくない人は社長を辞めればいい、それだけです。
社長という地位は、苦労と向きあうことを条件に手に入れるものなのです。
【社員の見方】
社長なんかなるのやめとこ😅
別にそんな苦労をしたくないもんね。
でも…やっぱり、優しい社長の方がいいなぁ😅
【キャリコンの見方】
社長業に関しては苦い思い出があります。
15年ほど前に「お前、社長やれ」と言われて関連会社の社長になりました。
「単なる名義だけでいいんじゃ」という甘い言葉についつい…
しかし3年後、その会社を潰しかけました😢
会社は潰れなかったけど、私はクビになりました😢
まあそれはいいんですが…
その会社には、ひと月に1度とか2度しか行けませんでした。
それも銀行に会うとか、監督署に行くとかの用事の時だけです。
年に1回最重要得意先に挨拶に行くことと、業界団体の集まりの一泊旅行に行くことくらいです。
と気楽に考えていましたが、そんなわけいきません。
次第に売上高が低下していきました😢
人事面の相談もちょこちょこ😢 年配の方の反発も😢
ロクな話はありません。しかも社長手当はなし😢
「なにが名義だけじゃあ~🤬いいことなんか、な~んにもないやんか~🤬」
製造工場で、10人くらいの従業員でした。
専務を現場の責任者にしていましたが、徐々に面倒なことを私に相談するようになりました。
まあ、いくら名義だけでいいとはいえ社長ですから仕方ないです。
そこで私がやったこととは、逃げはしないけど、「人気取り」をしてしまいました。
一番やっちゃいけないことでした。
時々会社に行っても、社内の人間関係がギスギスしていました。
「人から嫌われようと、面倒なことであろうと、嫌いな人であろうと、社長(=私)は断固として、それらと向き合い、顔を突き合わせて、物事を決定し」ませんでした。
単に「仲良しクラブ」を作ろうとしました。
2ケ月に一度、なじみのスナックを貸し切って、夕方スーパーに行って、格安になった総菜を買って、みんなで食事会とカラオケ大会を実施しました。
1年ほど続けると、従業員の皆さんも心待ちにしてくれるようになり、社内のギスギスも和らいできたように感じられました。
「なかなかいい会社になったやん😙」と思ったのもつかの間、最重要顧客の自主廃業のあおりを喰らって売上高がどんどん下がってきました。
いくら社内融和に腐心しても、倒産の危機を目の当たりにして、社内が一致団結…とはなりませんでした。
もちろん、このことだけが原因で倒産しかけたのではありませんが、社内融和を考えているヒマがあったならば、たとえ少々社内がギスギスしてでも、もっと足腰が強い会社にすべきでした。
名ばかり社長ということを言い訳にして、「難問」に真っ向から取り組まなかったツケは、ほとんどの人に辞めてもらうという厳しい結末になりました。
会社の盛衰は社長の姿勢次第です。
社長はそれほどの大きい責務を背負っています。
本当に大変な責務です。
そのことを社員全員が理解するだけで、その会社は強い会社・もうける会社・社員がリッチになる会社になります。