朝令暮改とは、“朝に命令を下し、その日の夕方になるとそれを改めること。命令がひんぱんに変わって方針が一定しないこと”で、一般的には良くないことだと言われています。
逆に経営者たるもの朝令暮改をためらってはダメだ!と力説する偉い経営者やコンサルタントもいっぱいいます。
どちらでしょうか?
【社長の見方】
「いったん決めたから変更しない」とメンツにこだわることなどをせず、社長がよいと思ったことは即実行しなければなりません。
この本では面白い見方をしています。
決めた過程が、社内会議などの正式な手続きを経て決定されたことであれば、朝令暮改は許されない!としています。
何故なら、その会議で決めたというプロセスの重みを社長自ら破壊することになってしまいます。
そんなことを繰り返していると、最終的に社長についてこない危険性があります。
もちろん、会議で決定したことでも、例えば経営を大きく左右するようなことであれば、変更しなければなりません。
とここで、この本ではもっと面白い見方をしています。
経営を左右するような重大なことは、社員参加の会議の場で決定してはダメだ!
そのような会社を左右する重要な案件は社長が決定して、会議の場で報告するというのが正しいやり方だと述べています。
いずれにしても社長が朝令暮改する場合、社長は自らの非を認め、社員に対し、とりあえずは自分の決定が誤りであったことを告げる必要があります。
【社員の見方】
社長の命令は絶対です。
良し悪しの問題でなく、社長から言われたことは必ず実行し達成を目指します。
それを途中で「あれ、なしね」と言われたら、さすがにカチンときます。
なるべく一度決めたことは方針を変えずにいて欲しいですね。
【キャリコンの見方】
私自身が、かなりの朝令暮改型人間ですから、このテーマには発言する権利がないです。
世の中、ワンマンと称される社長さんがいます。
私が3ケ月だけお世話になった社長さんが超ワンマンでした。
1ミリ単位の忠実さで方針を実行することが望まれました。
「望まれました」なんて言葉が柔なくらいです。
多分、織田信長なんかもそうだったのでしょう。会ったことはないけど…。
わずか3ケ月でしたが、朝令暮改は一度もありませんでした。
一旦自分で決めたことは、100%近く実現されることが「強制」されました。
3ケ月だけでしたが、それまでの大企業での「ぬるま湯」生活に冷水を頭からバケツ100杯分くらいかけられました。
次に8年半仕えた社長さんも超ワンマンでしたが、タイプは正反対でした。
「お前らでよく話し合って決めれや」というのが経営方針でした。
有能な番頭さんがいたので、彼が音頭を取ってみんなで決めました。
みんなで決めた方針は、よほどのことがない限りGOサインがでました。
私の在籍中に経営を大きく左右する決断が2回ありました。
もちろん社長が自ら判断しました。判断した後は、一切朝令暮改しませんでした。
一回は大成功し、もう一回は大失敗でした。
大失敗の方は、できれば暮改してもらいたかったです。
さて、テーマは朝令暮改でした。
前述したとおり、私には、「決めたことを守る」というネジがユルいようで大反省です😅
朝令暮改どころか、朝礼「午前中」改です。
この点でも、私は経営者にはとてもなれません。
結論としては、自ら決断して決めたことは、何があっても貫き通す「強さ」と自ら失敗だと思えば取りやめる「勇気」の両方がある経営者が理想ですね。