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コンテナスロープのインターアクション

 『一生働きたい職場のつくり方』を読む③

椀盤振る舞い(おおばんぶるまい)の給料・待遇で破綻した会社

 

ワイキューブという会社の事例が掲載されています。

同社は2011年に倒産しました。

TKCグループのWEBから転載させていただきます。

 

――ワイキューブの「社員満足向上」(充実した福利厚生)の取り組みは素晴らしかったし、中小企業に新卒採用を根づかせた功績は大きかったと思います。いま振り返ってみて、ワイキューブの経営をどうお考えですか。

 

安田 社員を満足させるという点では一応、自分がやれることは全部やったという気持ちはあります。

社員が無料で利用できる社内バーにはパティシエがいたり、カフェスペースにはバリスタがいたりと、会社は仕事をする場所であると同時に人生を過ごす場でもあるので、快適なほうが好ましいという気持ちは今でも変わりません。
そして、新卒採用に目を向ける中小企業が増えたのは、それがワイキューブの影響かどうかは分かりませんが、そのこと自体はとてもうれしいこと。

中小は余裕がないため、自分で育てるよりは他社が育てた人材を採りたいと思いがちですが、自分たちが育てた人材でないと本当の意味での戦力にならないし、やはり新卒からきちんと育てようという意欲を経営者自身がもっていなければだめだと思います。

 

――社内バーや、若い社員でもグリーン車に乗せるといった制度がマスコミにたびたび取り上げられたのは、絶頂期に達する少し前のことだったと思います。

 

安田 入社2年目からグリーン車に乗れるという制度は、社員から反対されてその後やめました。

福利厚生のためにいろいろやりましたが、うまくいったものもあれば、よくなかったこともあって、グリーン車に乗せたのはよくなかったことの一つでした。

仕事ができない社員までも「2年目になったのでグリーン車に乗せてください」と当然のように権利を主張してくるようになり、モチベーションを高めるという本来の趣旨とは少しかけ離れてきてしまった。
一方で、社内バーについては悪い影響はありませんでした。

むしろ費用をかけた分の見返りは十分にありました。さまざまなメディアに取り上げられ、売り上げとして戻ってきましたから。

 

――33万部超のベストセラーになった『千円札は拾うな。』(サンマーク出版)をはじめ、ビジネス本をいくつも出していたのもブランド力を高めたいという目的から?

 

安田 最初はDMを打ったり、広告を出したりして会社をPRしようとしていました。

でも小さい会社だったのでお金が続かない。

そこで、できるだけお金を使わずに会社の知名度を上げる方法はないかと考え、本を書いたり、社内バーを作ったりしたわけです。

 

――それらの戦略は見事成功して、ワイキューブはたくさんの人に知られる企業となりました。

 

安田 当時、中小企業のなかでは一番知名度があったくらいです。

大企業を含めた就職人気ランキングでは最高17位までいきました。
じつは就職人気ランキングについては、本気で1位になることを目指していました。就職活動中の学生たちが、ほかの会社の面接に行った際、そこの面接官から「うち以外にどこを受けているの?」と聞かれたときに「ワイキューブです」と答えてくれれば、会社の評判はさらに高まる。そうなることを狙っていたのです。

 

【会社は人材で決まる】

人材にお金を掛けない社長はいるのですが、すると何年経っても会社は大きくならない。

「仕事があるから人を採用するのではなく、採用した人が仕事を生む。こういう流れにしましょう。」と言うと、納得してもらい「君に仕事を頼みたい」と、依頼をされるのですが、次は「金が無い」となる。

「今まで採用にお金を掛けた事がない。紹介(ハローワーク)ならタダ」

人材会社だと一人採用するのに100~200万円。

「今まで0円なのに100万円も払うのか!?」と思うわけです。

「社長、一人採用すると給料が安くても3~400万円。

社会保険も入らなければならないし、500万円はかかりますよね。

その人達が10年間働いたら5000万円です。

採用コストが0円だと5000万円の出費です。

入口で100万円掛けたら5100万円です。

5000万円で分からない人材を採用するか、5100万円の投資で何十人の中から優秀な人材を採用するのとどちらがお得ですか?」

0と100を比べるから0円という事になるのですが、5000万円の役に立つのか選べない採用と、5100万円の選べる採用だったらどう考えても選べる採用がお得という事になります。0と100を比べてはいけないのです。

 

う~ん。そうかいな?

今月、ハローワークに募集を出して、2人の方に入社して頂きました。