この著作が素晴らしいのは、単に自社の商品の売上高にアップに役立つスキルを披露しているわけではなく、読者の人生の成功に役立つスキルにも焦点を当てているところです。
特に終わりの第15章、16章、17章は、商品の売上増だけではなく従業員にとっての成功法則も説いています。
まずは、第15章の“ビジネスの極意、卓越論”からです。
「なぜ、ほかの人よりもはるかに大きな成功を収める人がいるのでしょうか?たいていの場合、ほかの人よりも優れた哲学的な戦略があるからです。ほかの人たちとまったく異なる、誰よりも効果的な方法でアプローチをするのです。」
この効果的な方法でのアプローチとは、「私」から「あなた」へと焦点を移すことだと説いています。
これを著者は「卓越論」と呼んでいます。
卓越論とは、「クライアント(お客様のこと。社長と読み替えてもOK)のニーズをあなたのニーズよりも常に優先させることができる能力のことです。」
「どんな仕事でも、ごまかしたり策略によって誘導したりするのではなく、価値やアドバイスを提供することに注力していれば、さらに多くの見込み客、クライアント、上司、同僚、友人を味方にすることができます。そして、今まで夢にも思わなかったような形で見返りが手に入ります」
「な~んだ」と思うかもしれません。
『マーケターのように生きろ』(井上大輔)という本も、まったく同じように説いていました。
会社員に限らず、最高の人生を得るには、自分の周りの人をすべて「自分の大切なお客様」として扱い、自分の事よりも「お客様」のことを最優先させる必要がある。
これは、厳密に言えば、社長にも当てはまります。
従業員が社長を、「自分の大切なお客様」と考え、社長が従業員を、「我が社の大切なお客様」として取り扱えば会社はうまく回りそうです。
しかし、そんなに簡単なことではないですね~😔
分かっています。